集団の中での子どもたち …葛藤してそして成長する子どもたち…

1月は正月遊びで大盛り上がり。3歳児はカルタ取りをきっかけに文字の読める子が増えてきました。ルールを理解できるようになってきたほし組の子どもにとって、カルタ取りは、楽しみながらひらがなが覚えられる遊びです。ぜひ、お家でもカルタ取りの相手をしてあげてください。
今の子どもたちの姿から、私たち大人の乳幼児期の子どもへの関わり方が、大人主体になってきたと思われる場面が多々あります。これは、社会の変化により私たちの生活状況の変化や価値観の多様化によるものなのでしょう。引きこもりやいじめなどの社会問題が大きくなり、ますます心配が増えているのに、解決策は見えてきません。つまり子どもの問題に対する特効薬はないということです。
親になった時、子どもの育ちについてどれほどの知識を持っているかというと、私をはじめ、これまでの経験で得た知識しか持ち合わせていません。人は育っていく段階で体験したこと、感じたことの積み重ねが、現在の姿を形作るのです。
乳幼児期の親子の関わりはその基礎をつくります。どんなものも基礎が揺らげば、その全体を支えることができないように、乳幼児期の育ちの環境は人間の成長に大きな影響を与えます。乳幼児期の環境のほとんどは、家庭が中心です。その中でも、親の関わり方の根っこにあるものは、子どもの発達に応じて変わることはありません。小さいから何もわからないと思って関わっていると、人を信用しない、関心を持たない人間に育つことがわかってきました。
お子さんが生まれたときの姿が記憶にありますか。片方の手が上に もう片方は下にあり、いつも頭は手が下のある方だけを向いていませんでしたか。そうです。生まれてすぐの赤ちゃんは一方方向しか向けないのです。お母さんの声が聞こえても、そちらを向けない寂しさを感じているのですが、おっぱいやおむつを替えてもらう時はお母さんの顔が見えるのです。赤ちゃんのそんな思いに気づいていますか。おっぱいじゃなくミルクだったとしても、きちんとお母さんの顔を見せてほしい、抱っこしてほしいのです。3・4か月になると首がすわり、大好きなお母さんの顔や音のする方を向くことができます。このころの玩具は気持ちの良い優しい音の出る玩具が最適です。自分の両手を合わせて、もじもじ動かしたりして、自分の指や手が動くことに気づきます。だから好きな玩具をとろうと寝返りするのです。やがて、お座りができるようになると、自分で好きな玩具を握って遊ぶようになるのですが、これらの一つひとつの発達は、大好きな親の「大丈夫!」というまなざしが得られるからこそなのです。守ってくれる、励まして応援してくれるからこそ、子どもは前に進み、失敗してももう1回と挑戦していきます。つまり、他人と関わる力は乳児期に基礎ができるのです。おむつが濡れたと言っては泣き、おなかがすいたと言っては泣き、甘えたいと泣き、「それはお母さんの顔が見たいからなのね」と思えば、ちょっと子育ての大変さが小さくなりませんか。乳児期は、100パーセント受け入れてもらえるからこそ 他人と関わる力の基礎ができていきます。お母さんの方を向きたいのに向けない不合理を何とかしようとするから、首を動かそうとする力になります。できたときの喜びを母親に伝えたいと願う子どもに「できたね、よかったね」と喜びを返して欲しい、その積み重ねが他人と関わる力の基礎なのです。子どもの『初めてのできた!』に、是非気付いてほしいのです。