育ちの根っこにこだわろう(子ども一人ひとりの育ち)

前月号に発達障がいの原因について、確定ではないがということで書かせていただきました。
現在、様々な化学物質が生み出され、それが、空気や水・食べ物や衣類などに使われたり含まれたりしていますから、知らぬ間に、それが体の中に浸透しているのは事実です。体の中で化学反応して、新たな化学物質や成分になっているかもしれません。ある園では、発芽玄米を食べることで、アトピーを防いでいるそうですが、その園には、アトピーで苦しんでいる子どもが、他市町村から移り住み、入所しているそうです。もちろんその分経費がかかり、保護者負担も高額です。当園には、そこまでひどいアトピーの子どもはいませんが、それもまた、特別な支援ですよね。環境ホルモンは、私たちの気づかないところで、体に浸透してきています。
私たち幼児教育者が関われるのは、環境ホルモンではなく、乳幼児の成長発達の分野です。子供の成長について深く知ることで、子どもの健全な発達を支える、それが私たちの使命です。特別な支援を受けるのは、これからの子供の成長を支えるためですし、その子を取り巻くすべての人々の理解と協力を得て、生活しやすい環境を整えていくことです。6人のうち1人は集団が苦手な子です。その子も含めたクラスづくりを考えていこうとしています。1週間のうちの2~3日は療育を受けているので、あとの3~4日はこども園での集団活動ができるということです。無理なく、クラスでの生活が送れるようにと考えています。
集団が苦手な子どもを嫌いな居心地の悪い集団の中にそれも長時間おいておくのは虐待です。大人だったら、絶対そんな場所にはいきません。引きこもりという実力行使もありえます。子どもの場合、いま成長中だということに配慮が必要です。虐待を受けた子どもの脳は、普通の大切に育てられた子どもに比べ、脳が非常に小さい、加えて、脳の中に空洞さえできているという事実をご存知でしょうか。適切に対応しないということは、子どもの一生をダメにすることなのです。その子に合った特別な個別支援を受けるので、自己を十分に発揮することができ、認めてもらい、自己肯定感を積み重ねることができるので、少しずつ集団の生活を経験していくことができるのです。子どもの成長には、心の安定がとても必要です。強制してさせたとしても、その苛立ちや不満は他人とのトラブルとなって現れます。他人のせいにすることで、自分の足りなさから目をそらすようになります。
こどものいいところ、絶対にありますよ。(だって、できることがいっぱいありますよね。この子たち、数年前まで何もできないあかちゃんだったんですよ。)7日にあった子どものフェスティバル、「上手だったねー!」は誰でも言えます。『去年よりこんなところが成長した』をしっかり見つけて、お母さんの嬉しい気持ちも伝えたでしょうか。褒められる・喜んでもらえることが、子どもの挑戦する力、課題を乗り越える力になることをわかっていただきたいのです。
クラスの子どもたちは、集団が苦手な子どもたちによって保育が中断し、「あーあ」となっても、〇〇ちゃんがいるからだ‥とか、邪魔ばかりする‥とか言わず、決して仲間外れにしない子どもたちです。クラスの仲間として、一緒にやろうという気持ちなのだと思います。子どもたちは、自分の不快な気持ちを解消するために、私たちに告げ口はするのですが、仲間であるという意識は変わりません。いつから人は仲間外れにすることを身につけてしまうのでしょうか。こんな幼児期に集団を苦手とする子どもたちは療育(特別な支援)が受けられるといいですね。