幸せなお母さんと子どもの気持ちのいい関係

……「子どもは自分の事は自分で考え決める(そら組さんのおべんきょうごっこ)……

子どもは一人ひとり違います。体格の違いも性格の違いも、親からの遺伝です。顔が一人ひとり違うように、脳の造りも微妙に異なります。おしゃべりな子どもの脳は前頭葉の言語分野をつかさどる部分が発達して生まれてきますし、前頭葉の運動の分野をつかさどる部分が発達している子どもは、良く動き体を使って活動することが大好きです。しかし、それがそのまま続くわけではなく、その後の発育発達は、その子が置かれた環境によります。つまり、遺伝による能力が他の子より高かったとしても、その子を取り巻く環境が好ましいものでなければ、発達が緩やかになってしまうため、他の子が伸びていくスピードに追いつけず、後退しているかのようになってしまう事は、臨床実験や子どもの成長のデーターから実証されています。現在増加している発達障がい児の発達についても、子どもの特性を理解し、適切な対応 教育をしていくことで、発達障害が治るわけではありませんが、その子の良い所が伸び、マイナスだと思われていたことをプラスに変える、又は特性を生かすことでマイナス部分が表に出なくなるなど、人との関わりもスムーズになっていきます。

 子どもの心の発達はこの世に誕生した時から始まります。それは環境によって左右されると言っても過言ではありません。かねてからお伝えしているように、「三つ子の魂百まで」は本当です。「三つ子」とは、0歳・1歳の事で、この時期の2年間で、心の持ちよう(プラス志向かマイナス思考か)が決まります。プラス思考の子どもは、自分のやりたいことを自分の意志で表出し行動し、失敗してももう一度挑戦します。

 年長児というのは、まさに今 人と関わり自分の意志で考え行動しています。「子どもは何も分からないから、親の言うとおりにすればいいの!」的な大人がいますが、「子どもはこどもなりのプライドを持って挑戦してる」ことを知っていただきたいですね。

さて、そら組さんの「お勉強ごっこ」は、教育の土台となる「聞く」「話す」「文字の読み書き(数も含めて)」です。ひらがなを書きたがっている子どももいれば、何の関心も示さない子どももいるといった状態の中では、しっかり聞いて取り組む子と、取り敢えずその場に居るという子がいるのは当然です。小学校側は「入学前に字は何も教えなくて良い」と言いますが、読み書きができなくて授業についていけた子どもを見たことがないと言っていいくらいです。そして、子どもが自然に文字がわかるほど、文字は易しいものではありません。

最近文字の筆順を軽んじる傾向があります、でも、見通しを持たない文字の書き方は、イメージだけなので、漢字を覚えることができません。画数が多いとイメージだけでは正しい文字は書けないのです。正しい筆順を何度も繰り返し練習して覚えることが大切です。それには子どもが文字を書きたがるとき、しっかりと見守る必要があります。これは、園の取組だけでは実現不可能です。

子どもが文字を覚えるときは、保護者の方も一緒に正しい文字を覚えるチャンスでもあるのです。