今月の18日は、保護者の皆様のご協力のかいあって、職員全員でこども園教育保育要領の勉強をすることができました。純心女子大学の広瀬先生に今回の改定の背景について、つまり国が幼児教育をどう考えているのかを知ることができました。身につける必要があるのか、国の中央審議会に示された外国の研究資料等のコピーをたくさん用意して講義をして下さったのですが、その資料の中に、子どもの発達を示すグラフがありました。それを見て驚いたのが、情動の発達です。生まれてすぐに、情動は目覚ましい発達を遂げるのです。3歳くらいまでがピーク、その後は段々と落ちていくというグラフでした。嬉しい・悲しいといった心の動きは外からは見えないためか、大人は「子どもにはわからない」と思い込んでいるようです。内容はわからなくても、心の中では、悲しい、つらい、嬉しいといった感情や不安、安心といった心はしっかりと働いているということです。
話は変わりますが、最近、排せつの自立が遅くなっています。尿意を感じて自分でトイレができる。子どもは自分を誇りに思います。でも、家族で出かけたり、家事が忙しかったり、おねしょを心配したりして、いつまでも紙おむつに頼りがちになっていませんか。こども園ではパンツで過ごし、帰りは紙おむつに。「子どもだって自尊心はある。保育教諭がそんなことでどうする」と園長に叱られながら、職員は言われたからとおむつを履かせます。
子どもの情動の発達は、1歳から3歳までの間が一生のうちでピークを迎えることを保護者の皆様にも知っていただきたいのです。子どもはできること、できるようになったことを認めてもらいながら、喜びを感じ、意欲的になり、自信を積み重ね、さらにやる気を起こすという繰り返しで成長していきます。そして、生後3歳までは、嬉しいの積み重ねが脳をより発達させることも科学的に立証されています。まずは両親に認めてもらう、お母さんも子どもも嬉しいを積み重ねることです。命令や叱咤激励はその後に必要なのです。
もうすぐ、子どものフェスティバル。子ども達は、揃わなかった足や手の動きがきれいに揃ったと喜び合い、手を高く上げようと頑張ったとか、子ども達なりの成長を積み重ねています。毎日のお便りや子どもとの会話から日々の取り組みの様子も何となくお分かりいただいていると思います。発表までみんなと楽しく取り組んだかが大事です。お父さんお母さんの喜ぶ姿が、「次、もっと頑張るね」に繋がります。発表の後、「上手だったね」だけでなく、子供の成長に合わせた具体的そして、六感的褒め言葉をよろしくお願いします。