集団の中での子どもたち

……葛藤してそして成長する子どもたち……

正月遊びを経験して、記号や文字、数字にと興味を示す子どもが続出。そして、それがクラス全体に広がって「〇の字が書ける。」と誇らしげに言う子どもが増えてきています。年度末は、子どもたちとつながりが深まり、できる子をモデルにして、月齢の低い子どもたちがひそかにそのことに取り組み、いつの間に!と驚くことがある時期です。そら組さんだけでなく、つき組さんやほし組さんでも見られるこの時期の現象です。
そこで、子どもの「できる」を正しく見ていただきたいのが、字を書くことです。文字の書き順の基礎となる横線は左から右へ、また縦線は上から下へ、書く順番は、左にある部分、上にある部分を先に書く。縦線と横線が交わっていたら横線から書くなどの決まりです。もちろん、左右・上下の区別ができることが条件です。左右の区別ができないと、逆文字になってしまい、治すのに苦労します。字が書けると自信満々なのに‥‥。
そして、字を書く前に大切なのが、箸の持ち方、それはそのまま鉛筆の持ち方になります。最近の子どもは、箸又はスプーンを持つのではなく、握るになってしまっています。指先を使うのではなく、手のひらを使うというのがぴったりでしょうか。親指と人差し指を合わせることで、生活の中でのたくさんの作業がスムーズに効率よくできるのです。紙に糊を塗ってそれを決まった場所に貼る時など、指先の感覚がとても求められます。まして、箸のように二つのものを同時に持つときは、中指薬指が供応して働きます。これは高度な脳を持つ人間だけができること、指先の感覚を育てるのは、知能・知恵を伸ばすことと言われます。スプーンや箸を使うという日常の動きが、文字を書いたり、様々な作業をするときの基礎の力になっていることをわかっていただきたいのです。箸の正しい持ち方に力を入れた園から入学した子供たちは、字がきれいと書かれているのを見たことがあります。
箸の持ち方の矯正はとてもむつかしく、子どももあまり言われるとイライラしてしまうので、強制はできません。せめて身近な大人が、子どもの良いモデルになっていただきたい。ですが、これもむつかしければ、こんな言い方を、「お父さん指とお母さん指は仲良し、いつもくっついてるよ。」と。そら組さんの勉強ごっこの時、子どもにもわかりやすいので、友達同士確認しあったり、「上手だね。」と認められたりなど、集団の力がとても良い方向に働きます。まずは大人から、よいモデルとなるために練習してみましょう。