……葛藤してそして成長する子どもたち……
子どもの外見の成長はよくわかります。反対に子どもの内面は変わっていないようでも、どんどん成長しています。3歳を過ぎると、子どもは周りの人に関心を持ち関わろうとするようになります。一緒には遊んでいないようでも、友達の楽しげな様子を見て、それだけで満足していることもありますし、自分から関わりを求め動き出す子もいます。でも、初めてのことには失敗がつきもの。相手のあることですから、自分の思いと他人の思いは食い違うのが当然です。トラブルを繰り返し、鬱を感じながら、また挑戦を繰り返して、そして自分なりに道を見つけていきます。こどもには失敗してもまた挑戦する力があるのです。 最近は、この子どもの鬱を支えるのではなく、その場から遠ざけようとする親御さんが増えてきました。子どもが「ああだから、こうだったから」と、心の葛藤を漏らしながらももがいているとき、親として何とかしてあげたいと切ない気持ちになりますよね。でも、子どもは今抱えている課題を乗り越えて前に進みたいのです。そんな時の私たち大人の役割は、決して、つらい場面をなかったことにしたり、答えを教えてあげることではありません。自分の気持ちをわかってくれて応援している身近な人の存在を感じることができると、自分で考え、自分で道を探すようになります。まさに、自分で考え自分で行動する力を身につけていきます。まだまだ幼いと思っているかもしれませんが、子どもは、それぞれの発達段階で、その時に感じなければならないこと体験しなければならないことがあります。その発達段階を過ぎてしまうと、身につけることができなくなるのです。
先日、利用が始まったばかりの学童さんのお母様が「友達がいないから行きたがらないので、夏休みは学童を休みます」と言われました。夏休みは色んな活動を通して異年齢の交流がたくさんできる機会です。このチャンスに仲良くならないで、9月にやってきたとき、もっと気まずくなるのではと心配しました。そのことを伝えると、返ってきた返事が「じゃぁ、こどもに聞いてみます。」お母様が慣れない生活を心配して、休ませることを決めて、多分子供にも承知をさせたはずです。決めたのはお母さんだったはずなのに、今度は子どもに決めさせるというのですから、これでは、子どもは振り回されているだけです。大人はいとおしいが故に、つい救い出したくなるのですが、子どもたち同士だからこそのぶつかり合いが起き、悩み、苦しみ、ちょっと愚痴や不安を漏らしながらも、一緒にやれる方法を見つけ出そうとしています。それが学びの芽であり、非認知能力を育てることなのです。幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿は、子どもたち同士のぶつかり合いや、それを乗り越えたときの喜びを共感しあって、身についていくのだと思います。子どもの力を信じる大人がしっかり見守る中で、子どもたちが力を発揮できるよう関わっていきたいと思っています。 子どもたちは「昨日より今日、今日より明日」なのです。