……「子どもの言い分(おべんきょうごっこから)……
お勉強ごっこは、童話の読み聞かせから始まります。なぜ読み聞かせかというと、子ども達の想像力を高めたいからです。つちはしこども学園では、絵本の読み聞かせに力を入れています。親子読書でも絵本を読んでいるから十分でしょうという方がいるかもしれません。
絵本は、絵を見て絵を読み解く、つまり、絵本の絵を見ている時に、絵の場面を具体化できる言葉を聞くことによって、その場面がよりリアルになり、ストーリーを楽しめるのです。子ども達は、視覚による具体的なものは理解しやすく、年齢が低いほど、その傾向は強いです。しかし、脳の中に記憶の回路ができてくると、それまでに獲得した情報をもとに、見えないものまで想像して、脳細胞をどんどん活性化させていきます。話を聞くだけで様々なことを想像し、理解できるようになるのです。つまり、想像力が豊かになるほど、理解力が高まるのです。でも、ひとつ問題があって、乳幼児期に、親との対話が少ないと、語彙力(言葉の意味だけではなく その言葉の情感もふくめて)が育ちませんから、想像力が育たない、知能も育ちにくいということです。以前、「三項関係」のことをお伝えしましたが、その「三項関係」が成立しないと知能は伸びませんし、情緒も豊かになりません。ただでさえ、人との関係を築くことを苦手とする子どもが増えている現代では、特にこの「三項関係」が大切です。「そうだね。」と受け止められ、「できたね」「どんな気持ちだった?」「どうしたらできたの?」など、肯定的な対話がある親子関係があると、知能は伸びるそうですよ。
絵本の中の肯定的な言葉は子ども達に安心感を与えます。いつも教え込まれたり、命令・注意・叱責されることが多いと、知能は伸びません。お母さんと子どもの気持ちいい関係が、子どもを伸ばすのですね。
お勉強ごっこの読み聞かせの1冊目は「子ぎつねコンチ」。ちょうど5歳くらいのきつねの男の子のゆったりと流れる素朴な時間を描いたお話です。この童話にハマったのは、自分とおんなじという親近感です。子どもはこんな日常を求めているのかもしれません。そして、次に読み始めたのは、「エルマーの冒険」。男の子は「冒険」と聞くと、もうそれだけでドキドキするようです。「今日はここまで」と言うと、ため息が聞こえてくるほど入り込んでいます。絵はなく、言葉を聞くだけでイメージを膨らませ、次の場面まであれこれ想像し、ドキドキできるなんて、素晴らしい!
色々あって、勉強ごっこのできない日もありますが、横並びに知識を詰め込むのではなく、学びの基礎作りができるよう、昨日より今日、今日より明日の気持ちで取り組んでいます。