幸せなお母さんと子どもの気持ちのいい関係

……「子どもの言い分(おべんきょうごっこ)……

学校の夏休みが終わります。毎日教室で、一方的に知識を押し付けられていた子供たちは、この時とばかりに羽目を外し、夏休みの間中、毎日友達と遊んであそんで‥暮らしました。特に男の子は、遊んでは友達と衝突を繰り返し、自分たちで完結できないと、親に助けを求めたり、悪口を言ったり、でも時間がたつと何事もなかったように一緒に群れて遊びます。

子どもは時間を十分与えられれば、振り返って考えたり、気持ちを切り替えたり、それを繰り返しながら、少しずつ前向きな気持ちになるコツを身に付けていきます。

さて、3月に卒園した1年生は、長い休みを初めて経験したのですが、この夏休みの過ごし方で、これからの学習に差がでてきます。これまで平仮名を覚えたり、10までのたし算ひき算が主だった学習は、いよいよワンランク上の内容に入っていきます。45分間先生の話を集中して聞く力ができていれば大丈夫なのですが、カタカナを覚えることに始まり、10を超えるたし算や、繰り下がりのあるひき算は、子ども達にとって、とても大きな山なのです。

こども園で親子読書をコツコツと積み重ねた成果は、これから花開きます。幼稚園教育要領の中に、「幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、環境を通して行われる」とあります。つまり、字が読める、数を数えられるといったレベルの話ではなく、幼児期の環境(園や家庭・地域といった子どもを取り巻くすべて)が、その後の人生を左右するのだという意味です。幼児期に身につけたものを基礎として、その子の人格形成がなされていくということです。学校に行ってから勉強が始まると言う人が多いのですが、学習への取り組み方や理解の仕方などは、子どもを取り巻くすべての環境によって、基礎ができています。親子読書は、単に絵本を読むということではなく、絵本の言葉を読み手の言葉として子供に伝えているので、感情を持った意味のある言葉として、子どもの頭(脳)に刻まれていきます。猛暑の夏は、そら組さんのお勉強ごっこをお休みしていましたが、9月からまた再開します。ただ覚えるだけでなく、なぜそうするのか、どうしたらそうなるのか、科学の芽を育てながら、取り組んでいけたらと思っています。文字に関心のない子どもと、意味を理解しながらすらすらと文章を読む子どもが一緒に存在しているため、全員横並びにはいきませんが、昨日より今日、今日より明日の子ども達です。知ること、わかることは面白いになるよう、それぞれのペースに配慮しながら、続けていきたいと思っています。保護者の方には、できた、できないではなく、子どもの話をよく聞くことにご協力下さい。ああしたこうしたの事実だけでなく、子どもの気持ちを聞いて欲しいのです。先生対子どもは「1対23」、とても 一人ひとりの話をじっくり聞くことは難しいからです。親子の関りもコツコツとつみ重ねていきましょう。