育ちの根っこにこだわろう(子ども一人ひとりの育ち)

育児講座にたくさんの方ご参加くださいまして、ありがとうございました。参加された保護者の方の一人ひとりが私たちの取組を応援していただいていると思い、元気をいただくことでした。ご感想などありましたら、どうぞお聞かせください。私たち保育者の研修は、3時間の予定が4時間になってしまうほど、充実した内容でした。現在取り組んでいる実践を職員全体で共有し、先生からの助言をいただき、意見を出し合って、また次の一歩を踏み出すことにしました。先生のお話は、支援が必要な子どもたちというより、すべての子どもの発達の様子・対応の考え方の基本となるものだと、改めて思いました。
特別な支援を必要とする子どもの数は増え続けていて、鹿児島市では1校で80名、支援学級が10クラスを超える学校がいくつもあるとのことですので、発達障がいと診断されたかどうかではなく、保護者が子どもに合った教育環境を選ぶようになってきたということなのでしょう。とにかく早い時期に支援を開始しないと、社会への適応は難しいそうですから、今 私たちにできることは、支援が必要な子どもを早く見つけて、支援につなげていくことなのです。そして、集団を苦手とする子どもを集団で保育することは、本人のためにもよくないのですが、その子を取り巻く他の子どもにもよくないのです。園に特別な支援を行う保育室があればいいのでしょうが、残念ながら、幼児教育の場には特別支援学級がありません。集団を苦手と感じている子どもの居場所が、クラスという集団の場しかない。そうすると、子どもはストレスがたまり、もっと症状がひどくなり、他の子どもにもよくない影響が及びます。そのままにしておくことで、二次障害を引き起こすことになります。早期に特別な支援を受けることで、自立に向け成長できるのに、と残念に思います。講師の先生が話されたように、症状をなくすることはできないのですが、二次障害を起こさせない配慮が必要です。
子どもたちに良い教育環境を用意したいと努力をしている私たちは、この大きな集団の中で,一緒くたに保育するしかないという現実が改善されないと、保育者が日々悩みつついくら取り組んでも、教育は生きてこないという現実を突きつけられて、心が折れそうになっていることも知っていただきたいのです。
この子どもにとって良くない状況とわかっているのに、それを変えることができないジレンマを抱えています。こういった現実の矛盾から、心を病み保育の場から離れていく保育者は増えています。保育者不足が大きな課題となっている日本国ですが、子どものために、保護者のために、そして働く保育者のために、より良い政策を願ってやみません。つちはしこども学園の子どもたちに、一人ひとりに合った教育環境が与えられ、健やかに成長発達していってほしいと切に思います。
障がいがあるかどうかにかかわらず、子どもの育ちをしっかりと見守り、気持ちの良い親子関係の中で、子どもたちは毎日学びのある生活の中で認められ、自立していってほしい。それが子どもの生き抜く力の基礎を育むことだと思うのです。気がかりなことも、子どもの嬉しい発達も、保護者の方と私たちと伝えあって、子供たちの成長を一緒に支えていきたいですね。