育ちの根っこにこだわろう(子ども一人ひとりの育ち)

5月19日に行われた家族大運動会、外は大雨でしたが、競技場内は子どもたちの活躍への熱い声援と笑いで、たくさんの元気をもらえたのではと思います。たくさんのご協力、本当にありがとうございました。
さて、つちはしこども学園では、入園から1か月というこの時期に、運動会という活動を見ていただくことは、とても重要な意味があります。少しずつ新しい環境に慣れ,担任に笑顔を見せる姿から、おだやかに過ごせるようになってきたと安心していただきたいのと、3・4・5歳児クラスの子どもたちの集団活動を見ていただきたいからです。今年度は9日間の連休があり、幼児クラスの子どもたちの気持ちが一つになれるか心配しましたが、そこは、本番に強い子どもたちのこと、それぞれのパフォーマンスをのびのび披露していましたね。特にそら組さんは、最年長としての自覚の芽生えを見ることができました。
しかし、最近では、この集団での活動が苦手な子供が増えてきています。話を聞くのが苦手、つまり耳からの情報を聞き入れるのはむつかしい、ああしてこうしてと一度にいくつも言われると対応できない、視界に入るものにすぐ反応してしまう、など色々です。自分がいつも1番でないと気が済まない子どももいます。なので、約束を守るのはむつかしいのです。わかっているけど、身体が動いてしまうという子供もいます。だから、「待ってね」が通用しません。「言って聞かせればいい」という人がいますが、頭ではわかっているのに 自分をコントロールできないのですから、言い聞かせてもダメなのです。子どもは教えられてできるというより、「一緒にやって、できるようになる」という特徴があります。とにかく何回も一緒にしてくれる人が必要なのです。するかしないかを決めるのは子ども自身。言われてやらされてばかりいる子どもは、どうすることがよいのかを考える習慣が身につきません。注意すると「叩かない」とか、「横入りしない」とか答えます。「横入りしない、じゃ、どうするのかな?」と尋ねると「わからない」とのこと。「あれをするな」「これはしていけない」と否定語ばかりだと、子どもは自分で考えることをしなくなります。
子どもは、個別に、親や先生といったモデルになる人と一緒にやりながら、教えてもらい、考え、試してみて、褒めてもらって、人との絆を深め、自信を得ることで、集団活動に参加できるようになるのです。だから、集団が苦手な子どもには、より丁寧な関わりが必要なのです。集団が苦手なので、個別又は小集団での経験を積み重ねる必要があります。そのことを特別な支援と言います。この支援は、より早い時期にスタートすることで、子どもの気持ちが安定し、子どもが持っている力を良い方向に伸ばしてあげることができます。支援というと、障害児だと勘違いされる方もまだいらっしゃるようです。支援を受けることは、子どもの持っている個性を認め、その子どもに合わせた援助を受けることで、よりよい発達を促そうとするものです。障がい児は、親御さんが役所に申請し、手帳を申請した人のことです。集団を苦手とする子供を大集団の中で過ごさせると、その子供の持つ良さを伸ばすことができません。というより、その能力を潰してしまうだけでなく、二次的な望ましくない症状を発症することもあります。
視線が合わない、何回言っても聞き入れない、じっとできない、ずっとしゃべり続けるなど、気になることがあったら、早めにご相談くださいね。一緒に、その子に合ったより良い付き合い方を見つけていきましょう。