集団の中での子どもたち

……葛藤してそして成長する子どもたち……

もうすぐお正月、30年度も残り3ヶ月となりました。最近の子どもたちの成長は目覚ましく、担任や友達との安心感はこんなにも子供を成長させるのかと驚きです。とくに、卒園を間近に控えたそら組さんは、就学までに身につけたい10の姿に確実に成長しています。文字や数への興味というより高い関心があって、しりとり遊びやなぞなぞなど、また日常の遊びや生活に取り入れて楽しみながら学んでいます。「面白い」が子どもたちの学びの原点であることがわかります。これまでは「○○に行った」など、自分の楽しかったことを聞いてもらうことだけで満足していたのですが、相手にわかってほしいと、説明が具体的になってきました。例えば、「自分は○○だったけど、▽▽だったので、××しようとしたら、誰それが◎◎して‥」といった具合に、その時の状況や経緯を具体的に表現し、詳しく説明できるようになってきました。自分中心だったのが(当然ですが)人との関わりを自分から求めて、その中で喜びを得ようとしている、つまり、社会性が芽生え、脳が活発に働くということです。このように、言葉については大人を超えることもしばしば‥,そんな発想ができるのかと驚くことが増えました。このような豊かな成長は、今、突然に起きたのではなく、生まれてから今日までの適切な関わりがあったからなのです。テレビやユーチューブの視聴時間が多かったり、親がスマホに夢中だったりすると、決してこうは成長できません。一方的に情報を流し続けるメディア機器は、言葉の獲得どころか、思考する力さえ無くしてしまうことが脳科学界では証明されています。そして、「三つ子の魂百まで」と言いますが、この3歳というのは数え年のこと、満年齢で言うと1歳から2歳にかけてです。まだ小さいからわからないのだからと思っていると大変なことになります。実際、2歳から5歳までの間は、たくさんの思うようにいかないを経験し鬱を感じながらも、でもそれを乗り越えて成長しようとするのですが、そこには常に、子どもをしっかりと支え後押しする大人の存在が必要です。「言えば分かるはず、言えばできるはず」はありません。何かをしてあげるのではなく、生きていく見本を示すことなのです。つまり、大人の役割は、身辺処理などの基本的生活習慣を身につける乳幼児期のモデルとしての存在です。モデルがあるから、子どもは進むべき自分の姿・道を見つけることができます。
勉強ごっこでは、「やって見せて、言って聞かせて、やらせてみて、褒めてやる」先生が言ったから、お母さんが言ったからではなく、自分で考える、『考えることが勉強』が約束事です。どうしてそう考えたのか、みんなで考え、その考えのすべてを大切に、仲間に気づかされたり認められたり、いっぱい回り道をしながら、そこで学ぶことも多いのが幼児教育です。義務教育では、学ぶ課題が決まっているので、こんな回り道の授業はできません。幼児期の今しかできないたくさんの学びを通して、知る・できる喜びが感じています。幼児期の子どもたちに必要なのは、いいモデルとして大人の存在です。