集団の中での子どもたち

……葛藤してそして成長する子どもたち……

子どもにとって「ばか」「うんこ」「おしっこ」などは、ある種の快感を伴う三種の神器のような言葉のように思います。この言葉を使うと、大人はドキッとしてイヤな顔をし、回りの子どもたちは嬉しそうな顔をして笑い、一緒に言ったりするのです。すなわち聞いた相手が反応するので、他人の意識が自分の方に向いたぞ!という快感につながるからなのでしょう。これは人の気持ちを自分の方に向かせたい主張したい子はますます大きな声を出すかもしれません。そこで先手必勝、いや後手必勝で、子どものことばにのってみるのもいいかもしれません『うんこ』と言ったら「それから?」と聞いてみましょう。相手は得意げに「おしっこ!」と言います。そこでさらに「それから?」と聞いてみましょう。相手が「バーカ」と言ったらしめたもの、また「それから?」と聞くと、子どもは困った顔をしてどっかに行ってしまうことがほとんどです。これは子どものこの手の言葉の持ち駒がせいぜい3個から5個だからなのですが、それに大人が過剰反応せず思ったような反応がないのでつまらなくなってしまうのです。所かまわず図にのって叫んだり、言い続けたりするようなら、真剣な顔で、「先生はバカという言葉は嫌いです。」「今はうんこ おしっこと言う時ではありません」としっかり伝えましょう。真意はしっかりと伝わるはずです。園でも、一部の男の子が「うんこ」「しっこ」「おっぱい」と言うと、周りの子どもたちが大笑いします。特に男の子には大うけです。「○○ちゃんはおっぱいがだいすきなのね。」と私たち保育者は軽く受け流し、取り上げるようなことはしませんでした。ところが、つき組ではちょっと様子が変わりつつあるようです。ちょっと前までは、これを誰かが口にするとゲラゲラ笑いだった女の子たちが「○○くんはそればっかり…」と、とたんに不快感を表すようになってきました。少しずつ男の子たちは肩身が狭くまってきています。あと少し男の子たちはふざけ合って終わるを繰り返しますが、段々と、人の気持ちを自分に向かせたいという欲求は、正当な方法でそれを実現しようとするようになります。こんなことができる、上手にできる、知ってる、早い、強いなと自分でコツコツ努力する姿がみられるようになります。子どもたちはいつも前向き、そうならないとしたら、周りの大人のせいです。4歳から5歳にかけて、イメージする力が育ってくること、相手のことに気づいたり、気持ちを推し量ったりします。まだまだ経験の少ない子どもたちは思い通りにいかず、苦しむことが多いですが、信頼できる大人が子どもの思いを聞くことで、次はこうしてみようと気持ちを切り替えるのです。川添先生に教えていただいたペップトーク、是非お役立て下さい。